課外見学 刺し子 2月24日 火曜日 午後2時 シルバー会会員九名
ガムラスタンの山梨ギャラリーは主催者、山梨さん、九名のシルバー会会員で展示会場満員(笑)80歳を過ぎた高齢な斉藤禮さんの刺し子の作品に囲まれ、山梨さんのお話を聞きました。インディゴの紺染め地に白糸で縫い進められた斎藤禮さんの刺し子は、東北津軽の地方性を越え、
高度の芸術に高められた簡潔なデザインの仕上がり。その作品の数々がすっかり刺し子のイメージを変えてしまいました。会場の四隅にある世界的に有名な服飾デザイナー”イッセイ三宅”の再生紙による紙ランプも展示会にピッタリ。ギャラリーに足を踏み入れた瞬間、ここ外国の地で本物の日本文化に出会った驚きでした。
山梨さんのお名前を聞き知ったのは1973年頃。当時の山梨さんはすでにスウェーデン、ダーラナ地方のヘムスロイド(Hemslöjd) の日本紹介を手掛けており、当時の六本木にあったスウェーデンセンターでスウェーデン刺繍の材料、スウェーデン刺繍講座をとダーラナ地方の文化交流に活躍していました。スウェーデン工芸の分厚い本を7年もかけて翻訳された日本語版を拝見した時、山梨さんの並々ならなぬスウェーデン工芸への造詣を思い知りました。
そして、今回はガムラスタンのご自分のギャラリーにて日本、東北地方の津軽刺し子 斉藤禮さんを紹介。
津軽、ダーラナ両地方は長い冬と雪、暖炉やいろりをかこんで織りなす手工芸のインサイド文化が発達する素地が同じですね。ガムラスタンの山梨ギャラリーがその日本とスウェーデン両文化の交流の接点であるのを慮り、ギャラリーへの思いを強めました。シルバー会会員と御一緒の課外見学の一日でした。
加津子ラルソン
最後に一言。(またかよ)
斉藤禮さんがヨーロッパ刺繍に触れた背景が忘れかけられていた津軽刺し子をあの簡潔なデザインの芸術作品にまで高めたのですね。そして手作りの素朴さとあたたかみのある作品の数々は母親が作ってくれた煮しめを食した思いに通じました。